一般社団法人 グローカル政策研究所

N'est-ce Pas?

勉強とはなんだろうか

先日、夫と大喧嘩をした。原因は1枚の子供用ワンピースと高校生の履くようなスカートだった。
この話に結論はないが、学ぶことや遊ぶこと、何が勉強なのかは人によって大きく違うというわかりやすい例だと思うので書こうと思う。
ちなみに3〜4時間ほどで仲直りをし、やはり私と夫では考える順番や感じ方は180度違い、だからこそ2人でいるとうまく行くのだと実感した。その分ぶつかることも多いのだが。

私は洋服が本当に好きだ。正直、1ヶ月の給料は全て洋服に使い食事は水だけでいいと思っている。
物心ついたときから洋服が好きで、いつも世の中には可愛い洋服がたくさんありすぎて困っている。ただ34年間生きてきて、ファッションもだいぶ飽和状態にあるように感じ、値段と質、値段とデザインが見合わない商品が多くなってきたと思う。ハンドメイドのようなものになれば、すごく素敵で何万円出しても欲しいものもあるが、それはかなり限られる。ほとんどのリメイク、ハンドメイドものは誰でも作れるようなクオリティと、むしろ現品をダサくしてしまっているようなものばかりでしかもかなり強気な値段で売られている。
納得がいかない。
私はおそらく20年以上誰よりも服を見て、服のことを考え、服にお金を使ってきた。朝起きたら好きなブランドの新作を全てチェックし、毎週の新作発売日と時間を全て暗記しチェック、ベッドに入ってから寝るまでも一通りのサイトを見る。空いている時間があればパルコやラフォーレ、デパート、古着屋、全フロアを歩き洋服を見る。
私の方が可愛いものが作れる自信がある。

洋服に遣いすぎてお金がないので、まずは家にあるもので可愛いものを作ろうと考えた。
私のイメージは今季のPAMEO POSEのバレリーナ風チュチュワンピースをもっとメルヘンに、露出を少なく、そしてレトロに作る、であった。

PAMEO POSEPAMEO POSEPAMEO POSE











(PAMEO POSE 公式オンラインストアより)

ちょうど先日GAP kidsで見つけた少し地味目なピンクのワンピースがあった。私も着れるサイズだが、スカート部分の生地はとても薄く、インナーを履かないと下着は透けてしまう。それにバレリーナといえばチュチュ、つまりスカートには広がりが必要だが、このワンピースは広がるどころか生地が垂れてただの布のようだ。子供用なので仕方がないことだ。
思いついたのは、ちょうど似た地味なピンク色の膨らむスカートを私は持っていた。数年前友だちからもらった109のギャルブランドのスカートで、全く履いていないが頂き物で売ったり捨てたりもしたくなく、ただ保管していた。
まずはGAPのワンピースのスカート部分に、裏からその109スカートを縫い付ければ広がりが出る。
また縫い付け方を工夫すれば、109のスカートの裾についているレースをチラ見せさせることもできる。縫い付け方はカーテンのようにする。参考になるヴィンテージのドレスを先日高円寺で見つけたので写真も撮った。
高円寺まずその作業をしてからその先を考えようと思った。

話は戻るが、夫は手先が私より器用で細かい作業が得意だ。デザインやアイディアを考えるのは苦手だが、作業なら手伝うと言ってくれていた。
私の中でワンピースにスカートを裏から縫い付けること、裾をカーテンの様にして下のレースを見せること。この2つは決まっていたので夫にその作業をしてほしいと頼んだ。

ここで揉め事が始まった。
夫はワンピースにスカートを縫い付けるのは反対だと言った。理由は、まずスカートの方がワンピースよりだいぶ重いので(今家にはミシンがない)縫い付けても数回履けば壊れてしまうから、わざわざ縫い付ける必要はなく、ただ重ねて履けばよい。手縫いで細かく縫ったとしても、縫い目が見えてしまって見栄えが悪い。またきちんと裁縫を習ったことがないのにそんなにうまく裾のレースを見せるように固定して縫い付けるのは無理だ、ということだった。

私は自分の説明不足もあったと思うので、説明した。
まずこれは売り物ではないし試作なので、例え1度着て壊れたとしても着用画像の写真が撮れれば良い。それに壊れたらなぜ壊れたのか理由を考えることができるから次に活かせる。それに私はGAP kidsのワンピースと109のギャルスカートを合わせてPAMEO POSEのワンピースより可愛いワンピースを作りたいのであって、別々に履くのでは意味がない。PAMEO POSEのワンピースは¥55000(税別)だが、GAP kidsのワンピースは¥6000くらい、109のスカートはもらいもの、ここに装飾品など材料費が¥15000かかったとしても約¥20000でPAMEOを上回るものが作れる。

しかし夫は折れない。
なぜ壊れるとわかっていてワンピースにしなければいけないのか。やるからにはきちんと裁縫やミシン、色々な方法を習ってからやりたい。そうすれば今やるよりもっとやりやすく理想を具現化できるはずだ。

でも私は意味がわからない、売り物でもなく、失敗したらほどいてやり直せばいい。作ってみてうまくいかなければ素材を変えてやり直せばいい。手を動かさないとそのことにすら気づかない。それにそもそも、私はGAP kidsと109でPAMEOより可愛いバレリーナ風ワンピが作れると確信している。縫い目なんて何かで隠せば良い。ニットのバラの花をつけたり、上にセーターやスウェットを縫い付けてしまったり、どうとでもできる。

そもそも気に入らないのは、夫が、やってもいないくせに初めから壊れると決めつけていること、習ってからきちんとやりたいと言っていること。
壊れるかどうかは着てみないとわからないし、壊れても良い試作だと言っている。夫はボタン付けができるのだから、適当に縫い付けるくらい習わなくてもできるはずだ。
私は未だに玉留めも玉結びもできないが適当に縫い付けることができる。
でもあまりに堂々巡りで意見が噛み合わないので、気がついた。
夫とは考える順番やものを作ることへのアプローチが違うのだ。
夫も私のアイディアを否定しているわけではない。

勉強とか、きちんと習うって一体なんなんだろうと思った出来事であった。
私が洋服のことを調べたり見たり歩き回ったり、それは楽しいし気になるし好きだからやっているわけだが、学校では教えてくれないことだと思う。やっぱり私は学校が嫌いだ。。。
楽しいことをしていたら発見がたくさんあり、アイディアが湧いてくる、インプットばかりでは爆発してしまうのでアウトプットする。
これだけのシンプルなことで、これは勉強なのか??
洋服を見るだけがインプットではない。好きな音楽を聞く、好きなアーティストのライブに行く、演出を見たり衣装を見る。好きなアニメを見る。そのアニメキャラが着ているような私服が欲しくなったりする。映画を見れば可愛い衣装は山のように出てくる。電車や街でも可愛い服を着ている人やおしゃれな人がいないか見ていると、独特な合わせをしているおじいちゃんやすごくおしゃれなおばあちゃんがいる。

でも、なみ縫いの練習をしましょうとかミシンをマスターしましょうとか言われたら私は憂鬱になるんだろうな〜。そこは夫の得意分野なので彼に任せよう。型紙を切ったりするのも細かいセンチメートルを測ったりするのも本当に苦手で、よく布が足りなくなるのでそこも夫に頼もう。

私は意外と勉強が好きなのだ、勉強と気づいていないだけで。
辞書で調べたら、'懸命に頑張る'という意味らしい。
もう考えるのに疲れたので、今リメイクしているネクタイ、シャツ、ワンピースが終わったら今回の騒動の原因になった服を作ろうと思う。
その頃にはもっと作りたいものが出てきて、後回しになるかもしれないけれど。。。

うにふり

COLUMN

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