一般社団法人 グローカル政策研究所
阿部孝則の『寡黙な麻雀王者』
第37回連載
現在2024年度に行われた第16期令昭位戦A 1リーグについて第5節まで進行しているところですが、今回こちらは少しお休みして2024年の年末に行われた第7期RMUグランプリについて書かせて頂こうと思います。
RMUグランプリは割と最近新設されたタイトル戦でRMUに所属するアスリートが参加できます。
ここでいうアスリートとは規定の試験に合格しRMUに入会した人のことを指します。
ですから入って間もない人もそうですが例えば私であったりMリーガーの多井も松ヶ瀬も全てアスリートということになります。
RMUではアスリートの中にプロライセンスを持つ人がいます。
ライセンスはB級、A級、S級、SS級、SSS級の5段階あります。
ライセンス者は例えば私であれば『SS級ライセンス阿部孝則』などと呼ばれることが多くなります。
ですのでライセンスを持たないアスリートのことをそのままアスリートと表現することもあります。
話を戻しましょう。このRMUグランプリは全試合がトーナメント方式で行われます。
これはトーナメント方式の試合に慣れてないアスリートに少しでも練習する機会を与えようという趣旨が含まれており、敗者復活戦なども採用し少しでも多くトーナメント戦の試合を打てるようにシステムが考えられています。
また優勝した際は賞金の他にB級ライセンスが与えられるという大きな特権もついてきます。
本来B級ライセンスは選手ポイントを地道にためていかないと発行されないもので早い人でも4,5年はかかります。
しかし入会して数ヶ月の新人でも優勝すれば一撃B級になれるとあって新人にはかなり夢のあるビッグなタイトル戦となっています。
グランプリ本戦 1日目
私はSS級ということで予選は免除されここから参加になります。
本戦 1日目では半荘2回戦のトーナメントを3セット行なうことになります。
この歳になると 1日に半荘6回戦は少しキツくなってきますが、トーナメント戦はとても得意であることと経験の浅い人たちに簡単に負ける訳にはいかないという自負があります。
トーナメント 1は2連勝と危な気な場面もなく圧勝で通過します。
今日はとても調子が良いようですが気を引き締めていかなければ思わぬ落とし穴が待ち受けているかも知れません。
しかしトーナメント2でもトップスタートとこの日は絶好調のようです。
2回戦トーナメントで初戦トップを取ると2回戦目はかなり有利に試合運びをする事ができます。
トータル2位争いでやり合ってる漁夫の利でここもトップとなりここまで4連勝です。
トーナメント3でも1着3着と1回戦目のトップで得たリードで逃げ切り危なげなく 1日目を終えます。
RMUグランプリは敗者復活戦があるためシステムが非常に複雑になっているのですが簡単に言えば一回までの敗戦は復活できることになっています。
グランプリ本戦2日目
本戦2日目は半荘3回のトーナメントを2セット行なうことになります。
しかしここまで無傷の私は次を勝つと本戦3日目にジャンプアップすることができます。
ここは集中して3回戦で終わらせるしかありません。
相手は同じA1の楢原と新人2人です。
1回戦目、微差の3着で終えた私は2回戦目でトップをとります。
本来実力者であるはずの楢原が新人相手に苦戦して2ラスと後塵を拝しています。
そのため私と新人2人が三つ巴の争いとなっています。
3回戦目で3人のうち順位が上の2人が勝ち上がることになります。
私にとってみれば相手2人のどちらか1人より着順が上であれば勝ち上がりということなので私の最も得意とする展開です。
一応楢原にも7万点以上のトップなどの条件は残っていますがかなり厳しいと言えるでしょう。
ただ3回戦目は後が無く大きなトップが必要な楢原が暴れる展開となりますが、ここは経験値がものを言います。
リスクを最小限に抑えるために勝負どころを見極める必要があるからです。
接戦を制した私は本戦3日目に進出し会場を後にします。
私はいつも試合結果を1回戦毎に妻に報告していますが、この日も帰り道で結果を報告するととても喜んでいました。
妻は『すごい調子良いから優勝までいけるよ!』と興奮気味に言っていますが、とても調子が良いのは事実なので気は早いかも知れませんがそこまで見据えていても良いのかも知れません。
グランプリ本戦3日目
この日は午前中の敗者復活戦と合わせてベスト8が出揃っており私の出番は事実上準決勝ということになります。
今日勝てば決勝ということで皆気合いが入っているようです。
中でも特にライセンスのないアスリートは優勝すればB級ライセンスがもらえるとあって慣れない試合とライセンスの先輩達を相手に勝ち上がらなければならないプレッシャーの中で必死のようでした。
私の相手はA級ライセンスの渡辺、野村両名に新人アスリートの小澤です。
私は1回戦目の東1局で少し大事に行きすぎて役なしをダマテンに構えてしまいます。
するとその局、親の渡辺に4000オールを引かれてしまいます。
そこから5本場まで連荘されてしまい私はラス目に落とされてしまいます。
そこからラス前までラスを抜け出せない苦しい展開でしたがオーラスに2着になる値千金のアガリを決め事なきを得ます。
2回戦もなんとか2着とスコアをまとめた私でしたが、渡辺が1着、3着、野村が4着、1着だったため素点で10ポイントほど差をつけられたトータル3位で3回戦へ進みます。
私は渡辺とは着順勝負ですが野村には2着順か 1着順ならプラス8000点程必要になります。
前回と展開は似ていますが着順プラス条件付きなので前回ほど楽ではないでしょう。
3回戦目、東場から1局ごとに勝ち上がり者が入れ替わるような激しい接戦でしたが、なんとか最後もプラスの2着で終わり見事決勝戦進出を果たします。
私は去年に続き2年連続の決勝戦進出で去年果たせなかった優勝を狙います。
第7期RMUグランプリ決勝戦はSS級阿部孝則、A級渡辺卓也、A級茶木康志、B級川久達矢の四名で行われることになります。
残念ながら全てライセンス保持者となってしまいましたが、これが総合力が結果に表れやすいトーナメント戦の試合ということなのかも知れません。
それでは次回は決勝戦の模様を詳しく解説していきたいと思います。
第38回連載へ続く...