一般社団法人 グローカル政策研究所

阿部孝則の『寡黙な麻雀王者』

第39回連載

3回戦は茶木、阿部、川久、渡辺の並びでスタート。
東1局、勝負がけの半荘としたい私はドラ1で先制リーチを打ちますがこれは流局、渡辺と2人テンパイ。
親番を迎えた私は更にタンヤオ高め三色の4-7ピンで先制リーチ。
すると茶木、渡辺からもリーチが入り3人のめくり勝負になります。
結果は茶木が渡辺から3900は4200+供託3000の大きなアガリ。
東3局は親の川久が先制リーチ、マチのカン8ソーは山に1枚でしたがあっさりラス牌をツモります。
更に裏も乗せて4000オール。
同1本場では茶木の先制リーチに渡辺が追っかけ、ここは渡辺がツモり1000,2000は1100,2100のアガリ。
ここまで1人置いてかれている感じの私でしたが確定ピンフ、一気通貫の3-6マンで先制リーチ、追いかけリーチの茶木が掴み8000のアガリ。
南入して手牌にマンスの多い私は混一色一直線。
役牌、混一色、一気通貫の仕掛けを成就させ2連続満貫のアガリで一気にトップ目に躍り出ます。
南2局は渡辺の先制リーチに川久が追いかけ。
渡辺が一発で当たり牌を掴み川久は5200のアガリ。
南3局は渡辺がダブ南、混一色の2000,4000をツモアガリ。
微差のトップ目で迎えたオーラス、渡辺の親番。
7巡目に早々と役牌暗刻の1300をテンパイした私はこれをアガリ切り念願の初トップで3回戦を終了。
3回戦終了時の成績は以下の通りです。
順位






微差ながらもトータルでもトップに立った私ですが渡辺までは半荘1回で逆転されてしまうようなポイント差です。
茶木が1人置いてかれて少し苦しいポジションといったところでしょうか。
残るは4回戦と新決勝のみとなります。
4回戦は渡辺、阿部、川久、茶木の並び。
東1局、茶木の先制リーチは東単騎の七対子。
イーシャンテンだった私はチーしてテンパイをとりますがその打牌が東。
裏も乗っていきなり8000の放銃。
東2局の私の親番も茶木が畳み掛けるように先制リーチは6-9マン。
役はリーチ、白、ドラ1で打点も待ちも十分な手牌。
しかし今度は私がタンヤオ、七対子、ドラドラの5マン単騎で追いつきます。
ラス牌の5マンは悪魔の囁きのように茶木の手元に。
私は12000+1000を茶木から利息を付けて取り返します。
同1本場ではタンヤオの2-5マンで先制リーチこれをツモり2000は2100オールとリードを広げます。
更に2本場ではメンタンピン、ドラ1の5-8マンで先制リーチ。
一発でツモり6000は6200オール。
3本場でもドラ2枚のカン7ソウで先制リーチ。
茶木の追いかけをくらうも7ソウをツモり4000は4300オール。
8000放銃から怒涛の4連続アガリを決めた私の点棒は70,000点を越えます。
4本場ではます川久の先制リーチに茶木、渡辺が追いかけ。
最後に追いついた渡辺が一発でツモり3000,6000は3400,6400+2000。
東3局は私がラッキーな1人テンパイ。
東4局は茶木の先制リーチに川久が追いかけ。
しかし私もピンフ、ドラドラの2-5-8ソウでダマテン。
8ソウは茶木が掴み3900+2000のアガリ。
ここまでくると体勢はほぼ盤石とも言えそうです。
南1局は渡辺、阿部、川久の3人テンパイ。
同1本場で渡辺の先制リーチ。
ドラの6ソウを一発でツモり4000は4100オール。
2本場でも渡辺がドラドラの先制リーチ。
川久のテンパイ打牌が放銃となり7700は8300と渡辺が激しい追い上げを見せます。
次局は渡辺と川久の2人テンパイ。
4本場では川久の1人テンパイで流局。
南2局5本場では渡辺の先制リーチは三色のペン7ピン。
早いリーチに現物のない私がスジを頼って放銃し5200は6700。
ラス前では茶木がピンフで先制リーチ。
渡辺が一発で飛び込み3900。
そしてオーラスは川久が先制リーチし700,1300のツモアガリで4回戦は終了。
4回戦終了時の成績は以下の通りです。
順位






残すは新決勝のみとなります。
新決勝とはRMU独自の決勝システムで従来の麻雀のルールとは異なります。
基本1局麻雀で決着が着くまで行います。
ポイントを点棒に置き換え、例えば私なら75400点持ちで渡辺は29200点持ちというような形でスタートします。
トータル1位の人は何点でも良いのでアガれば優勝です。
それ以外の人はトータル1位を逆転するようなアガリをすれば優勝となります。
優勝を決めるアガリが出るまでは局は続きます。
場は常に東1局で積み棒はありません。
アガッた人が次の親番となります。
このように4人麻雀より3人麻雀に近いイメージのルールになっています。
私は2位の渡辺に45000点以上の差をつけているのでかなり有利な状況となっています。
しかしながら追いかける側も私にアガらせないように3人でアガリ続ければ可能性はゼロではないと言うことになります。
新決勝その1は親番渡辺の先制リーチ。
3-6ソウで3ソウだと三色の大物手でしたが6ソウをツモって2000オール。
その2は川久が茶木のリーチを交わして1000のアガリ。
その3はドラドラで仕掛けた渡辺が1000,2000のツモアガリ。
ジリジリと渡辺が詰め寄ります。
その4でも親の渡辺が先制リーチ。
しかし既に役牌を鳴いていた私も追いついき覚悟を決めて勝負に出ます。
しかしここも渡辺がツモって2000オール。
その差は25000点まで詰め寄られています。
その5でもまたもや先制リーチの渡辺の手はドラ1の3-6マン。
嫌な空気を感じた私は念の為に渡辺の宣言牌をチーして一発消しをします。
すると次のツモは3マン。本来なら渡辺が一発でツモっていた牌です。
その後に川久から追いかけリーチが入り渡辺が放銃して3900。
やっている本人は渡辺の待ちがわからないので自分のファインプレーに気づいていませんが、一気に詰め寄ってきた渡辺の連チャンを止め放銃に回らせたことで良い感触を感じています。
その6は川久の親番。
しかし遂に4順目に役ありのテンパイを果たします。
待ちはカン2ソウ。
9巡目に茶木の先制リーチを受けたその同巡、私のツモ山に積まれていた牌は2ソウでした。
1300,2600。と最後の点数申告をすると一礼して試合終了。
渡辺の怒涛の追い上げ等がありましたが終始落ち着いて冷静に対処できたのが良かったのだと思います。
去年の雪辱を果たし晴れて第7期グランプリ初戴冠となりました。

対局室を出て携帯を確認すると興奮気味な妻からのお祝いLINEが大量に送られてきています。
私はいつも支えてくれる妻にまた次も良い報告ができるように頑張り続けなければと心に誓うのでした。

第40回連載へ続く...

COLUMN

阿部孝則の『寡黙な麻雀王者』